書籍紹介

 
ヘレン・ケラーまたは荒川修作
マドリン・ギンズ、荒川修作
 
 
訳/監訳・渡部桃子
 
A5判上製/定価5040円/2010/04
ISBNコード:978-4-403-12023-7
現代美術の先端を走るアラカワが建築へと向かったのはなぜか? パートナーにして最大の理解者である詩人、マドリン・ギンズが その作品世界を解きほぐす。 荒川作品をカラー図版で多数収録。

目 次

第1章 思考する場
第2章 「知覚は 身体を持たねばならない!」
第3章 実在性の 最初の 小さなレンガ
第4章 わたしのために ダイアグラムを描いてください
第5章 形状の仮面 あるいは断続的に開閉する深い穴
第6章 わたしからわたしへ、あるいは東から東へ
第7章 透けて見える風景
第8章 わたしを文字通り/逐語的に死なせないでください
第9章 すべての千年紀は新生児である
第10章 時空とは何か
第11章 見つめている他者
第12章 エラー
第13章 ふと聞こえてくる形状たち、あるいは回廊たち
第14章 ヘレン・ケラーの署名の中に見るアラカワの線
第15章 どんな大きさのミステイクか
第16章 あるいは山たち、あるいは線たち
第17章 線は亀裂
第18章 山から 様々なものが群生する虚空へとむかった 彼を 支えてくれるはずだったものは なかった
第19章 ポイント・ブランクにおける 距離の テクスチャー
第20章 差異
第21章 鳥たち
第22章 濃淡の綾
第23章 ニュートラルなグラフォスの子ども、あるいは恐竜的ファクター
第24章 名なしの共有─共用ノート
第25章 勇者の光
第26章 他動性の行進
第27章 どこで何が起こったのか?
第28章 惑星の形成を形成
第29章 批判する浜辺

典拠
『ヘレン・ケラーまたは荒川修作』はこう読める、あるいは訳者あとがき 渡部桃子
解説  自分は死なないということ─荒川修作という門を入る 三浦雅士
作品リスト

著者紹介

マドリン・ギンズ(Madeline GINS)
詩人。1941年ニューヨーク生まれ。62年バーナード・カレッジを卒業。ブルックリン美術館アート・スクールより絵画研究奨学金を受ける。62年より公私にわたるパートナーの荒川修作とともに共同研究・活動を始める。二人の代表作『意味のメカニズム』(71年ドイツ語版、後に英、仏和訳版刊行)は今も世代・国境を越えて読み継がれており、2人の活動は芸術・建築分野のみならず、生命科学、物理学、哲学、医学などの学術者との交流も深い。05年にはパリ第十大学で、08年にはペンシルバニア大学で荒川修作+マドリン・ギンズをめぐる国際カンファレンスが開催され、第3回目となる10年は特定の場を定めず世界各国からの参加が可能となるようオンライン・カンファレンスの開催が決定している。

荒川修作 (Shusaku ARAKAWA)
コーデノロジスト。1936年愛知県生まれ。61年渡米、翌年よりマドリン・ギンズと共にニューヨークを拠点に活動を始め、現在もニューヨーク在住。60年代より、ドイツ、フランス、イギリス、日本など世界中で個展を開催し、70年ヴェネツィア・ビエンナーレでは日本代表として代表作「意味のメカニズム」を発表する。この作品を見たノーベル賞物理学者のヴェルナー・ハイゼンベルグが賞賛し、マドリン・ギンズと共にドイツのマックス・プランク研究所に招待をうける。97年にはグッゲンハイム美術館にて日本人として初めて回顧展が開催された。 近年は身体を中心とした建築作品を手がけており、94年「遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体」(岡山県奈義町現代美術館)、95年「養老天命反転地」(岐阜県養老町)、2005年「三鷹天命反転住宅~In Memory of Helen Keller~」(東京都三鷹市)、08年「バイオスクリーブ・ハウス」(ニューヨーク、イースト・ハンプトン)などがある。

渡部桃子 (Momoko WATANABE)
アメリカ文学研究家。1951年生まれ。首都大学東京都市教養学部人文科学研究科教授。専門はアメリカ現代詩、アメリカ文化、アメリカのフェミニズム。訳書『娘の誘惑--フェミニズムと精神分析』(ジェーン・ギャロップ著、勁草書房)「アドリエンヌ・リッチ詩集」(共訳、思潮社)、共著『詩歌の饗宴』(岩波講座文学4、岩波書店)、共編著『物語のゆらめき』(南雲堂)など。